鉄(Fe)の効果効能の解説

鉄(Fe)


鉄(元素記号Fe) とは
・鉄は、体に3~4g存在し、そのうち約70%が酸素の運搬役と成るヘモグロビンの構成成分である「機能鉄」として蓄えられ、残りの約20%が肝臓、脾臓、その他は骨髄、筋肉などに存在している。

・鉄には、動物性食品に含まれるヘム鉄(二価鉄)と、植物性食品に含まれる非ヘム鉄(三価鉄)の2種類がある。

・腸管での吸収率は、ヘム鉄の25%に対して、非ヘム鉄は5%となっている。

・ヘム鉄はそのまま腸管で吸収することができるが、非ヘム鉄は結合している有機物が胃酸によって溶解し、イオンとして分離してからビタミンCなどの作用でヘム鉄に還元されたのち腸管から吸収される。

・植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」はビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が上がる。また、クエン酸も鉄を溶けやすくする。

・鉄の吸収を阻害するものとしては、赤ワインなどに含まれるタンニン、玄米などに豊富なフィチン酸、食物繊維などがある。


適用期間:2015年~2019年
鉄の摂取基準表
年齢 推奨量
(mg/日)
耐容上限量
(mg/日)
男性 女性 男性 女性
月経なし 月経あり
0~5月 *0.5 *0.5
6~11月 5.0 4.5
1~2歳 4.0 4.5 25 20
3~5歳 5.5 5.0 25 25
6~7歳 6.5 6.5 30 30
8~9歳 8.0 8.5 35 35
10~11歳 10.0 10.0 14.0 35 35
12~14歳 11.5 10.0 14.0 50 50
15~17歳 9.5 7.0 10.5 50 40
18~29歳 7.0 6.0 10.5 50 40
30~49歳 7.5 6.5 10.5 55 40
50~69歳 7.5 6.5 10.5 50 40
70歳以上 7.0 6.0 50 40
妊婦
(付加量)
初期 +2.5
中期 +15.0
末期 +15.0
授乳婦
(付加量)
+2.5
*は目安量

鉄の効果効能
・酸素の運搬、細胞呼吸に重要な役割を担っている。

・肝臓の解毒作用。

・貧血の予防。

・筋肉の収縮を助ける。


鉄が多く含まれる食品 100gあたりmg
バジル/粉 120.0
タイム/粉 110.0
あおのり/素干し 74.8
あゆ/天然、内臓、焼き 63.2
かわのり/素干し 61.3
ひじき/ほしひじき 55.0
セージ/粉 50.0
いわのり/素干し 48.3
あさり/缶詰/水煮 37.8
きくらげ/乾 35.2
あわび/塩辛 33.9
やつめうなぎ/干しやつめ 31.6
チリパウダー 29.3
カレー粉 28.5
あさり/缶詰 27.8
あゆ/天然、内臓、生 24.0
けし/乾 22.6
パプリカ/粉 21.1
せん茶 20.0
こしょう/黒、粉 20.0
鉄が多く含まれる肉類 100gあたりmg
ぶた/スモークレバー 19.8
ぶた/レバー/生 13.0
にわとり/レバー/生 9.0
すずめ/肉、骨・皮つき、生 8.0
ぶた/レバーペースト 7.7
うし/第三胃/生 6.8
ビーフジャーキー 6.4
にわとり/心臓/生 5.1
いなご/つくだ煮 4.7
うし/じん臓/生 4.5
はと/肉、皮なし、生 4.4
かも/肉、皮なし、生 4.3
うま/肉、赤肉、生 4.3
うし/レバー/生 4.0
やぎ/肉、赤肉、生 3.8
ぶた/じん臓/生 3.7
ぶた/心臓/生 3.5
うし/コンビーフ缶詰 3.5
うし/味付け缶詰 3.4
うし/心臓/生 3.3
鉄が多く含まれる野菜 100gあたりmg
干しわらび、乾 11.0
きく/菊のり 11.0
切干しだいこん 9.7
干しずいき、乾 9.0
干しぜんまい/干し若芽、乾 7.7
パセリ/葉、生 7.5
とうがらし/果実、乾 6.8
よもぎ/葉、生 4.3
よめな/葉、生 3.7
ふだんそう/葉、生 3.6
つまみな/葉、生 3.3
だいこん/葉、生 3.1
よもぎ/葉、ゆで 3.0
つるな/茎葉、生 3.0
かんぴょう/乾 2.9
ザーサイ/漬物 2.9
菜の花/花らい・茎、生 2.9
とうがらし/葉・果実、油いため 2.8
とんぶり/ゆで 2.8
こまつな/葉、生 2.8

鉄の不足
・貧血による運動機能、免疫力の低下、うつ症状。

・息切れ、めまい、慢性疲労。

・体温保持機能の低下。

*閉経前の女性は毎月の月経で血液を失うので、鉄欠乏性貧血になりやすい。また、極端な食事制限や間違ったダイエットも鉄不足を招く。

鉄の過剰摂取
・胃腸障害、鉄沈着症。

・体重1キロあたり30mgで急性中毒を起こす。

・鉄は小腸で吸収されるが、吸収量は1日に1~1.5 mgと極めてわずかであり、通常の食事で過剰症を起こす心配はない。