シナモンの栄養と効果効能の解説

桂皮(ケイヒ)・シナモン




どんなもの?
桂皮(ケイヒ)は、中国南部(浙江、福建、広東、広西省)やベトナム北部に分布するクスノキ科ニッケイ属の常緑高木で、その樹皮を桂皮 (ケイヒ) 、枝を桂枝 (ケイシ) 、果実は肉桂子 (ニクケイシ) と呼び、多くの漢方薬の中に配合されています。また、樹皮はシナモンとも呼ばれ、香辛料として、料理、パン、クッキー、八ツ橋、コーヒーなどの香りづけなどに幅広く利用されています。シナモンは、大きく分けるとセイロンシナモンとカシアという2種類があり、セイロンシナモンの方が高級品として扱われます。

桂皮・シナモン
カロリーは100gあたり・・・(粉)364kcal


主な成分としては、精油を2~3%含有し、桂アルデヒド、オイゲノール、サフロール、フェランドレン、リナロール、各種ビタミン・ミネラルが含まれます。

漢方では主に胃腸機能の改善、食欲不振、解熱、鎮痛、強壮などに用いられています。桂皮(シナモン)は基本的に体を温める作用があるので、風邪の諸症状の緩和、冷え性の改善にも役立ちます。また、血糖値を下げ糖尿病の改善に有効とする研究報告もありますが、ほとんど効果が無いという報告もあるので、血糖値に関する有効性ははっきりしません。

ミネラル類ではマンガンカルシウムの含有量が多いのが特徴です。マンガンは骨に最も多く含まれ、成長期には骨の発育に欠かせないミネラルです。また、マンガンはインスリンの生成に関与しているので、血糖値の上昇を抑制し糖尿病の予防に役立ちます。カルシウムは骨粗しょう症を予防し、マンガンとの相乗効果で月経前症候群(イライラ、情緒不安定など)の改善にも役立ちます。

効果効能
健胃、滋養強壮、血行促進、発汗作用、冷え性の改善、解熱、風邪の諸症状の緩和、精神安定作用、鎮痛作用。



注意点
ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)が、クマリンが多く含まれるシナモン(カシア種)をサプリメントなどで過剰摂取すると、肝障害を起こす可能性があると注意喚起しています。香辛料として使う量では心配する必要はありません。

シナモン(粉)100gあたりの栄養成分表
水分 タンパク質 脂質 炭水化物 灰分 廃棄率
9.4g 3.6g 3.5g 79.6g 3.9g 0%
ビタミンA B1 B2 B6 B12 ナイアシン
レチノール βカロテン 0.08mg 0.14mg 0mg 0μg 1.3mg
0μg 0μg
葉酸 パントテン ビオチン C D
0μg 0mg 1.4μg 0mg 0μg
E K ナトリウム カリウム カルシウム
α β γ δ 0μg 23mg 550mg 1200mg
0mg 0mg 0mg 0mg
Mg リン 亜鉛 マンガン ヨウ素
87mg 50mg 7.1mg 0.9mg 0.49mg 41.0mg 6μg
セレン クロム モリブデン 食物繊維 脂肪酸 コレステロール
3μg 14μg 3μg 水溶性 不溶性 飽和 一価 多価 0mg
0.96g 0.70g 0.16g