コーヒー(珈琲)
どんなもの?
コーヒー(koffie オランダ・coffee イギリス)は、世界で最も多くの国で飲用されている嗜好飲料です。コーヒー豆はアカネ科の「コーヒーノキ」という植物の種子で、実は成熟すると赤くなり、その中には2粒の種子が入っています。コーヒーノキは40種類ほどありますが、コーヒー豆として収穫できるのは、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種の3種類のみです。コーヒーノキの多くは、南北北回帰線の間の熱帯・亜熱帯地域で栽培されています。
ちなみに世界に流通する豆の約65%がアラビカ種で、ロブスタ種が約35%、リベリカ種は1%にも満たない量です。アラビカ種は高級品として扱われ、ブルーマウンテン、マンデリン、キリマンジャロ、モカ、ハワイコナなどはすべてアラビカ種です。価格の安いロブスタ種はインスタントコーヒーの原料に使われることが多い。
カロリーは100gあたり・・・インスタントコーヒー 288kcal
主な成分としては、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ナイアシン、ビオチン)、ビタミンE、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、銅、亜鉛、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデンなどを含みます。
ビタミン類ではビタミンB群のナイアシンとビオチンが非常に豊富です。ナイアシンは循環系、消化系、神経系の働きを促進したり、二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解する働きがります。コーヒーは体を冷やすといいますが、ナイアシンには血管を拡張し血行をよくする作用があり、カフェインには覚醒作用や利尿作用の他に体熱産生作用があるので、そのような事実はありません。ビオチンには三大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)の代謝を助け、エネルギーに変える働きがあるので疲労からの回復を早めてくれます。
ミネラル類ではカリウムとマグネシウムが豊富です。カリウムは体内の余分なナトリウム(塩分)を尿とともに排泄してくれるので、高血圧の予防、動脈効果の予防に効果があり、マグネシウムはヒドロキシアパタイトの構成成分として骨の弾力性を維持する働きがあります。
国立がん研究センターと東京大のチームは、日本人の成人約9万人の平均19年間の追跡調査で、コーヒーを毎日飲む人は、ほとんど飲まない人に比べて心臓や脳血管の病気で死亡するリスクが1〜4割程度低かったとの研究結果をまとめました。これによると、コーヒーを「1日3〜4杯飲む」と答えた人の死亡の危険性は、ほとんど飲まない人より24%低く、死因別では心疾患で36%、脳血管疾患で43%、呼吸器疾患で40%低かった。
国立がん研究センターが実施した調査では、コーヒーを毎日1~2杯飲む人の肝臓がんの発症リスクは全く飲まない人の1/2に、毎日5杯以上飲む人は1/4に低下。
国内11の保健所と国立医療センターによる研究調査では、コーヒーを毎日飲む人のほうが、ほとんど飲まない人に比べ、2割ぐらい2型糖尿病にならないという調査データがあります。
アメリカのハーバード大学が発表した研究結果では、コーヒーを飲む人は、全く飲まない人に比べ、糖尿病になる確率が女性で30%、男性で50%少ないというデータが示されています。これはコーヒーに含まれるクロロゲン酸が、糖の吸収を抑制し、インスリンの分泌を促進する効果があるからだとされています。更にクロロゲン酸のポリフェノールが動脈硬化を抑制し、コーヒーの摂取量が多い人ほど、脳梗塞になる確率が少なくなるというデータも示されています。
主な銘柄と特徴
キリマンジャロ
タンザニア産のコーヒーで、キリマンジャロ山のすそ野に位置するモシ地区やアルーシャ地区で生産されたもの。フルーティーな香りで、酸味とコクも濃厚。ちなみにキリマンジャロは銘柄名ではなく、最高級品はタンザニア規格のAAをつけて、タンザニアAAと呼ばれている。
マンデリン
インドネシアのスマトラ島北部で生産される緑色で大粒な豆。酸味は少なく、トロピカルな香味と深いコク、キレのある苦味が特徴。日本人に好まれる味。
ブルーマウンテン
ジャマイカの東部ブルーマウンテン地区で生産される豆。フローラル系の香りとバランスのよい苦味と酸味が特徴の高級銘柄。日本でもファンが多い。
モカ
イエメン産のコーヒーの俗称で、かつてモカ港から出荷されたことが名の由来となっている。バニーマタル地区で生産される「モカ・マタリ」が代表的で、甘くフルーティーな香りと、酸味とコクがあり、コーヒーの貴婦人とも呼ばれる。
ハワイコナ
ハワイ島西側のコナ地区で生産される豆。甘い香りとフルーティーな酸味が特徴。生産量が少なくブルーマウンテンと並ぶ高級銘柄。
効果効能
疲労回復、代謝活動の促進、動脈硬化の予防、高血圧の予防、覚醒作用、利尿作用、血糖値抑制、糖尿病の予防、脳梗塞の予防、心筋梗塞の予防、がん予防。
注意点
特になし。
インスタントコーヒー100gあたりの栄養成分表
水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 灰分 | 廃棄率 |
3.8g | 14.7g | 0.3g | 56.5g | 8.7g | 0% |
ビタミンA | B1 | B2 | B6 | B12 | ナイアシン | |
レチノール | βカロテン | 0.02mg | 0.14mg | 0.01mg | 0.1μg | 47.0mg |
0μg | 0μg |
葉酸 | パントテン | ビオチン | C | D |
8μg | 0mg | 88.4μg | 0mg | 0μg |
E | K | ナトリウム | カリウム | カルシウム | |||
α | β | γ | δ | 0μg | 32mg | 3600mg | 140mg |
0.1mg | 0.2mg | 0mg | 0mg |
Mg | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 | マンガン | ヨウ素 |
410mg | 350mg | 3.0mg | 0.4mg | 0.03mg | 1.90mg | 8μg |
セレン | クロム | モリブデン | 食物繊維 | 脂肪酸 | コレステロール | |||
5μg | 2μg | 7μg | 水溶性 | 不溶性 | 飽和 | 一価 | 多価 | 0mg |
0g | 0g | 0.09g | 0.02g | 0.10g |