ボラのカラスミの栄養素と効果効能の解説

カラスミ




どんなもの?
ボラカラスミは、ボラ(鯔・鰡)の卵巣を塩漬けにして乾燥させたものです。カラスミの歴史は古く、栄養価の高い保存食として古代ローマ時代から作られてきました。そこからギリシャに渡り、エジプト、中国を経由して江戸時代に日本に伝わったと言われています。

カラスミは現在も世界各国で高級珍味として高値で取引されています。勿論、ボラは身の方も食べられますが、ボラは餌を砂や泥ごと食べてしまうため、独特の泥臭さがあり、あまり人気がありません。
カラスミ

カロリーは100gあたり・・・(ボラのカラスミ)423kcal

カラスミの成分としては、タンパク質、脂質、ビタミンA(レチノール・βカロテン)、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸)、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、銅、亜鉛などを含みます。

カラスミはタンパク質と脂質が豊富なので、疲労回復、滋養強壮効果があります。また、体によいとされるオメガ6系の脂肪酸(γ-リノレン酸、アラキドン酸)とオメガ3系の脂肪酸(EPA、DHA)の含有量はトップクラスです。γ-リノレン酸やアラキドン酸にはLDL(悪玉)コレステロールの低下作用があり、オメガ3系には抗血栓作用、動脈硬化の予防、認知症の予防改善効果があります。ただし、カラスミは塩分が多く、アラキドン酸は摂り過ぎると逆に動脈硬化や高血圧を招くので注意が必要です。

その他では、ビタミンB12と亜鉛が豊富です。ビタミンB12は悪性貧血を予防し、神経細胞内の核酸の合成を行い精神を安定させる作用があり、亜鉛には味覚を正常に保つ作用、皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きがあります。

効果効能
疲労回復、滋養強壮。


注意点
カラスミの脂質には体内で消化できないワックスエステルが含まれているので、多量に摂取すると下痢などの中毒症状を起こす可能性があります。また、塩分も多く高カロリーな食材なので食べ過ぎには注意しましょう。

ボラのカラスミ100gあたりの栄養成分表
水分 タンパク質 脂質 炭水化物 灰分 廃棄率
25.9g 40.4g 28.9g 0.3g 4.5g 0%
ビタミンA B1 B2 B6 B12 ナイアシン
レチノール βカロテン 0.01mg 0.93mg 0.26mg 28.4μg 2.7mg
350μg 8μg
葉酸 パントテン ビオチン C D
62μg 5.17mg 0μg 10mg 33μg
E K ナトリウム カリウム カルシウム
α β γ δ 7μg 1400mg 170mg 9mg
9.7mg 0mg 0mg 0mg
Mg リン 亜鉛 マンガン ヨウ素
23mg 530mg 1.5mg 9.3mg 0.19mg 0.04mg 0μg
セレン クロム モリブデン 食物繊維 脂肪酸 コレステロール
0μg 0μg 0μg 水溶性 不溶性 飽和 一価 多価 860mg
0g 0g 2.86g 5.17g 5.83g