キチジ(キンキ)の栄養素と効果効能の解説

キチジ(キンキ)




どんなもの?
キチジ(喜知次、吉次)は、カサゴ目フサカサゴ科キチジ属の深海魚。一般的には別称のキンキと呼ばれることの方が多い。鮮やかな赤色をしており、背ビレには鋭いトゲがある。水深150-1200mに棲息するが、特に水深300-600mに多く棲む。

キチジという名の由来は、体色が黄色ががった血色(血の色)なので、黄色血(キチジ)になったといわれています。むかしはカマボコの材料にするなど安価な魚だったが、乱獲により漁獲量が減り、今では不動の高級魚です。煮魚にすると美味。旬は脂がよくのる11月~2月の冬場。
キチジ(キンキ)

カロリーは100gあたり・・・(生)262kcal

主な成分としては、脂質、タンパク質、ビタミンA(レチノール)、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸)、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、銅、亜鉛などを含みます。

キチジはタンパク質より脂質のほうが多い珍しい魚です。ちなみに一般的に食される魚でタンパク質より脂肪が多い魚は、キチジの他にサンマ、タチウオ、ウナギ、ギンダラ、マグロの脂身など。キチジは脂質が多く高カロリーな魚ですが、脂質構成を見ると飽和脂肪酸は少なく、オリーブオイルなどと同じ一価不飽和脂肪酸のオレイン酸が主体なので体によい脂です。

オレイン酸にはLDL(悪玉)コレステロールを下げる作用があり、動脈硬化の予防、高血圧の予防、心疾患の予防などに効果があります。また、抗血栓作用があり、血液をサラサラにする多価不飽和脂肪酸(オメガ3系)のエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)も100gあたり1500mgと豊富で、これはヤツメウナギと同じ量です。

その他の栄養素としては、ビタミンEを比較的多く含みます。ビタミンEは活性酸素を無力化して細胞膜の脂質(不飽和脂肪酸)の過酸化を防ぐ抗酸化作用があるので、老化防止などに役立ちます。

効果効能
悪玉コレステロールの低下、血液サラサラ、動脈硬化の予防、高血圧の予防、心疾患の予防、老化防止。


注意点
特になし。

きちじ(生)100gあたりの栄養成分表
水分 タンパク質 脂質 炭水化物 灰分 廃棄率
63.9g 13.6g 21.7g 0g 0.8g 60%
ビタミンA B1 B2 B6 B12 ナイアシン
レチノール βカロテン 0.03mg 0.07mg 0.04mg 1.0μg 0.8mg
65μg 0μg
葉酸 パントテン ビオチン C D
2μg 0.20mg 0μg 2mg 4.0μg
E K ナトリウム カリウム カルシウム
α β γ δ 0μg 75mg 250mg 32mg
2.4mg 0mg 0mg 0mg
Mg リン 亜鉛 マンガン ヨウ素
32mg 130mg 0.3mg 0.4mg 0.11mg 0mg 0μg
セレン クロム モリブデン 食物繊維 脂肪酸 コレステロール
0μg 0μg 0μg 水溶性 不溶性 飽和 一価 多価 74mg
0g 0g 4.04g 10.65g 4.13g