ニシンの栄養素と効果効能の解説

ニシン(鯡・鰊)




どんなもの?
ニシン(鯡・鰊)は、ニシン目ニシン科の海産の硬骨魚。体長は約30センチメートルで、千葉県以北の太平洋と日本海に棲息。体型はマイワシに似ていますが、マイワシのように体に黒い斑点はありません。大きな群れをなして回遊し、産卵期は北海道沿岸に集まってきます。

北海道ではニシンは春にやってくることから、別名で「春告魚(はるつげうお)」と呼ばれています。一腹で5万~6万ある卵はカズノコ(数の子)、ニシンが昆布に卵を産みつけたものは子持ち昆布(こもちこんぶ)と呼ばれ人気があります。ニシンの旬は産卵期で脂がのる3月~5月ごろ。食べ方は、新鮮なものは刺身でもいけるが、塩焼きが定番。他にもフライ、マリネ、カルパッチョなどにしても美味しい。傷みやすい魚なので、干物にした身欠きニシンと呼ばれる加工品も昔から多く出回っています。こちらは主に煮物や甘露煮などにして食べます。甘辛く煮込んだ身欠きニシンを入れるニシン蕎麦などが有名。

にしん
カロリーは100gあたり・・・ニシン(生)216kcal、身欠きニシン246kcal

主な成分としては、タンパク質、脂質、ビタミンA(レチノール)、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸)、ビタミンD、ビタミンE、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、銅、亜鉛などを含みます。

タンパク質はそれほど多くありませんが、脂質は100gあたり15.1gと豊富です。特に一価不飽和脂肪酸のオレイン酸、イコセン酸を多く含みます。これらの脂肪酸には、LDL(悪玉)コレステロールを下げる作用があり、動脈硬化の予防、高血圧の予防、心疾患の予防などに効果があります。また、抗血栓作用があり、血液をサラサラにする多価不飽和脂肪酸(オメガ3系)のエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)もしっかり含まれています。

ビタミン類では、ビタミンB6とビタミンDを多く含みます。ビタミンB6はタンパク質、脂質、炭水化物の代謝の補酵素で、特にアミノ酸代謝の補酵素として重要な役割を担っています。ビタミンB6には健康な皮膚、髪、歯を作る作用、成長促進作用、肝脂肪の蓄積を防ぐ作用、免疫機能を正常に保つ作用などがあります、ビタミンDは肝臓と腎臓で活性化し、カルシウムの吸収率を高め骨や歯を丈夫にする働きがあります。

効果効能
動脈硬化の予防、高血圧の予防、心疾患の予防、高脂血症の改善、代謝活動の促進、免疫力向上、骨粗鬆症の予防。


注意点
特になし。

にしん(生)100gあたりの栄養成分表
水分 タンパク質 脂質 炭水化物 灰分 廃棄率
66.1g 17.4g 15.1g 0.1g 1.3g 45%
ビタミンA B1 B2 B6 B12 ナイアシン
レチノール βカロテン 0.01mg 0.23mg 0.42mg 17.4μg 4.0mg
18μg 0μg
葉酸 パントテン ビオチン C D
13μg 1.06mg 0μg 0mg 22.0μg
E K ナトリウム カリウム カルシウム
α β γ δ 0μg 110mg 350mg 27mg
3.1mg 0mg 0mg 0mg
Mg リン 亜鉛 マンガン ヨウ素
33mg 240mg 1.0mg 1.1mg 0.09mg 0.02mg 0μg
セレン クロム モリブデン 食物繊維 脂肪酸 コレステロール
0μg 0μg 0μg 水溶性 不溶性 飽和 一価 多価 68mg
0g 0g 2.97g 7.18g 2.39g