そら豆の栄養素と効果効能の解説

そら豆




どんなもの?
そら豆は、マメ科ソラマメ属の作物で主に未熟な豆を食べる。原産地は西南アジア、北アフリカ、地中海沿岸など諸説あるが詳細は不明。食用の歴史は古く、エジプトでは4000年前から栽培され、ピラミッドからもそら豆が発見されています。日本に伝わったのは奈良時代になってからで、サヤが空に向かって伸びるので「空豆」、サヤの形が蚕に似ていることから「蚕豆」という漢字があてられています。旬は4月~6月頃。
ソラマメ

カロリーは100gあたり・・・(生)108kcal

主な成分としては、脂質、タンパク質、ビタミンA(α・βカロテン)、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン)、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、銅、亜鉛、モリブデン、食物繊維などを含みます。

そら豆には、豆の栄養と野菜の栄養がバランス良く含まれています。特に100gあたり0.30mg含まれるビタミンB1は野菜類の中ではトップクラスの含有量です。ビタミンB1は、糖質をエネルギーに分解するときの補酵素となり、疲労回復作用、脳の中枢神経や手足の末梢神経の機能を正常に保つ作用があります。その他ではビタミンB2やビタミンCも多い。ビタミンB2は脂肪をエネルギーとして利用する際に欠かせないビタミンで、脂質の代謝を促進し、動脈硬化や心筋梗塞などの原因の一つとされる過酸化脂質を分解する働きがあります。ビタミンCの総量はそれほど多くはありませんが、澱粉で守られているので、茹でてもあまり減少しません。

ミネラル類では、カリウム、鉄、モリブデンが多い。カリムは体内の余分なナトリウム(塩分)を尿とともに排泄してくれるので高血圧の予防に効果があります。植物に含まれる鉄は腸管での吸収率が5%程度しかない「非ヘム鉄」ですが、ビタミンCと一緒に摂取すると吸収率があがり、貧血の予防に効果があります。モリブデンは通常不足することのないミネラルですが、鉄の利用を促進するなど造血作用があるのでこちらも貧血の予防になります。

不溶性食物繊維も比較的豊富です。不溶性食物繊維は大腸で水分を吸収して便のかさを増やし、腸壁を刺激して蠕動運動を促すので、便秘の予防改善につながります。また、便が腸内の有害物質を外へ追い出す働きが水溶性食物繊維より強いので、大腸がんの予防にも有効です。そら豆の皮の部分には利尿作用のある成分や食物繊維が豊富なので剥かずにそのまま食べたい。

効果効能
疲労回復、動脈硬化の予防、高血圧の予防、貧血の予防、利尿作用、整腸作用、便秘の予防改善。


注意点
鮮度が落ちやすいので、その日に使い切れない分は取り敢えず茹でて冷凍保存する。

そらまめ(生)100gあたりの栄養成分表
水分 タンパク質 脂質 炭水化物 灰分 廃棄率
72.3g 10.9g 0.2g 15.5g 1.1g 25%
ビタミンA B1 B2 B6 B12 ナイアシン
αカロテン βカロテン 0.30mg 0.20mg 0.17mg 0μg 1.5mg
2μg 240μg
葉酸 パントテン ビオチン C D
120μg 0.46mg 6.9μg 23mg 0μg
E K ナトリウム カリウム カルシウム
α β γ δ 18μg 1mg 440mg 22mg
0mg 0mg 1.3mg 0mg
Mg リン 亜鉛 マンガン ヨウ素
36mg 220mg 2.3mg 1.4mg 0.39mg 0.21mg 0μg
セレン クロム モリブデン 食物繊維 脂肪酸 コレステロール
0μg 0μg 150μg 水溶性 不溶性 飽和 一価 多価 0mg
0.2g 2.4g 0.03g 0.01g 0.05g