ワラビの栄養素と効果効能の解説

わらび(蕨)




どんなもの?
わらび(蕨)は、コバノイシカグマ科のシダ植物です。山地の日当りのよい乾燥地に群生し、世界の温帯に広く分布しています。また、商業栽培も行われています。早春に地中の根茎からこぶし状に巻いた新葉を出し、これを「さわらび(早蕨)」と呼び食用にします。

主におひたし、和え物、煮物、山菜そばの具などにしますが、ワラビは山菜の中でも灰汁が強いので必ず下処理が必要です。わらび餅という和菓子がありますが、これはワラビの根から取れるデンプン(わらび粉)を原料にしていたところからきています。現在、わらび粉100%は高級品で殆ど出回っていません。

わらび
カロリーは100gあたり・・・(生)21kcal、(茹で)15kcal

主な成分としては、水分、タンパク質、炭水化物、ビタミンA(βカロテン)、ビタミンB群(ビタミンB2、葉酸、ナイアシン)ビタミンE、ビタミンK、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、銅、亜鉛、食物繊維などを含みます。

ワラビは独特の風味と歯ざわりを少量楽しむ山菜であると言うことを最初に言っておきます。ワラビは基本的に生食が出来ないため、茹でることで水溶性のビタミンB群とビタミンCは殆ど失われてしまいます。脂溶性のビタミンであるビタミンA(βカロテン)、ビタミンE(αトコフェロール)などは残りますが、効能が期待できる量はありません。ミネラル類も少量ですし、不溶性食物繊維も100gあたり2.5gと決して多くはありません。

古くから牛と馬では中毒が報告されるなど、ワラビにはさまざまな有毒物質が含まれていることが分かっています。人間が適切に下処理して食べる分には問題ありませんが、ワラビは栄養よりも害が気になる山菜という評価しかできません。

効果効能
特になし。


注意点
アクが強いので必ず重曹などを使った下処理をしてから食べます。ワラビにはチアミン(ビタミンB1)を分解する酵素が含まれるので、アク抜きしないで食べるとワラビ中毒を起こす可能性があります。アク抜きしたものでも継続的に多量に食べることは勧められません。また、ワラビには発癌性が注目されているプタキロサイド(ptaquiloside)が含まれますが、これはアク抜きすることで殆どが分解されます。

わらび(茹で)100gあたりの栄養成分表
水分 タンパク質 脂質 炭水化物 灰分 廃棄率
95.2g 1.5g 0.1g 3.0g 0.2g 0%
ビタミンA B1 B2 B6 B12 ナイアシン
αカロテン βカロテン 0mg 0.05mg 0mg 0μg 0.4mg
5μg 160μg
葉酸 パントテン ビオチン C D
33μg 0mg 0μg 0mg 0μg
E K ナトリウム カリウム カルシウム
α β γ δ 15μg 0mg 10mg 11mg
1.3mg 0.1mg 0.1mg 0mg
Mg リン 亜鉛 マンガン ヨウ素
10mg 24mg 0.6mg 0.5mg 0.06mg 0.08mg 0μg
セレン クロム モリブデン 食物繊維 脂肪酸 コレステロール
0μg 0μg 0μg 水溶性 不溶性 飽和 一価 多価 0mg
0.5g 2.5g