ヨモギの栄養素と効果効能の解説

ヨモギ




どんなもの?
ヨモギは、日本各地に自生するキク科の多年草。ヨモギの若葉はすり潰したものを草餅やよもぎ団子に利用したり、おひたし、天ぷら、胡麻和えなどにして食されています。また、ヨモギの葉の裏側には白い綿毛があり、東洋医学の灸に使われるもぐさ(艾)として利用されています。
ヨモギ
カロリーは100gあたり・・・(葉、生)46kcal

成分としては、ビタミンA(βカロテン)、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、ナイアシン、パントテン酸)、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、銅、亜鉛、食物繊維、精油、フラボノイド、ポリフェノール類などを含みます。

ヨモギでまず注目されるのは、βカロテン、ビタミンC、ビタミンEといった抗酸化ビタミンが豊富なことです。これらの相乗効果により、免疫力の向上、老化や病気の原因となる活性酸素の発生を抑える作用があります。また、ヨモギに含まれる精油成分(シネオール、α‐ツヨンなど)には、抗菌・抗炎症作用、体を温める作用、ポリフェノール類に含まれるタンニンには下痢止め作用があります。

さらにビタミンK、鉄、食物繊維、カリウムの含有量も野菜類の中でトップクラスの多さです。ビタミンKは止血作用や骨の健康維持、鉄は貧血の予防、不溶性中心の食物繊維は便秘や大腸がんの予防、カリウムは体内の余分なナトリウム(塩分)を尿とともに排泄してくれるので高血圧の予防改善に役立ちます。

ヨモギの若葉を乾燥させた、漢方の艾葉(がいよう)は、鎮痛、止血、不正出血、下痢、冷え性などに用います。

民間療法としては、古くから切り傷、すり傷、下痢止めに効果があるとして、外用としても内服としても用いられてきた歴史があります。軽い切り傷、すり傷の治療は、ヨモギの葉をよく揉んで汁を患部にたらし、そのまま葉をのせておくと血が止まり、傷の治りも早くなるといわれています。また、ヨモギの葉を乾燥させたものを袋に入れ、入浴剤代わりにすると、血行が良くなり湯冷めもしにくいといわれています。

効果効能
免疫力向上、感染症予防、動脈硬化の予防、高血圧の予防、貧血の予防改善、整腸作用、大腸がんの予防、老化防止、血行促進作用、外用で止血・収斂作用(切り傷、すり傷の修復)。


注意点
キク科植物にアレルギーのある人は避ける。妊娠中・授乳中の過剰摂取は避ける。

ヨモギ(葉、生)100gあたりの栄養成分表
水分 タンパク質 脂質 炭水化物 灰分 廃棄率
83.6g 5.2g 0.3g 8.7g 2.2g 0%
ビタミンA B1 B2 B6 B12 ナイアシン
レチノール βカロテン 0.19mg 0.34mg 0.08mg 0μg 2.4mg
0μg 5300μg
葉酸 パントテン ビオチン C D
190μg 0.55mg 0μg 35mg 0μg
E K ナトリウム カリウム カルシウム
α β γ δ 340μg 10mg 890mg 180mg
3.2mg 0.1mg 0.5mg 0mg
Mg リン 亜鉛 マンガン ヨウ素
29mg 100mg 4.3mg 0.6mg 0.29mg 0.84mg 0μg
セレン クロム モリブデン 食物繊維 脂肪酸 コレステロール
0μg 0μg 0μg 水溶性 不溶性 飽和 一価 多価 0mg
0.9g 6.9g