葉酸の効果効能の解説

葉酸(ようさん)


葉酸(ようさん)とは
・葉酸(プテロイルグルタミン酸、ビタミンB9とも)は、1941年にほうれん草の抽出物から発見された水溶性ビタミン。ビタミンB群。

・葉酸は「造血のビタミン」と呼ばれ、ビタミンB12と協調し赤血球合成に関与する。

・葉酸は、DNAやアミノ酸の合成にも関与することから、特に細胞分裂が活発な子供や妊婦に必要なビタミンとされる。妊婦の栄養付加量(ビタミン・ミネラル)一覧

・葉酸は、必須アミノ酸のメチオニンがホモシステインを経てメチオニンに再合成される過程にも必要で、不足すると再合成が進まず、血液中にホモシステインが増えて動脈硬化を促進する。

・葉酸は、光に対し不安定なので、葉酸を含む食品は冷蔵庫など、光のとどかない場所に保存する。



葉酸の摂取基準表
年齢 推奨量(μg/日) 耐容上限量(μg/日)
男女共通
男性 女性
0~5月 *40 *40
6~11月 *60 *60
1~2歳 90 90 200
3~5歳 100 100 300
6~7歳 130 130 400
8~9歳 150 150 500
10~11歳 180 180 700
12~14歳 230 230 900
15~17歳 250 250 900
18~29歳 240 240 900
30~49歳 240 240 1000
50~69歳 240 240 1000
70歳以上 240 240 900
妊婦
(付加量)
初期 +240
中期 +240
末期 +240
授乳婦
(付加量)
+100
*は目安量

葉酸の効果効能
・血管障害の予防。

・口内炎の予防。

・胎児の正常な発育を助ける。*1)神経管閉鎖障害のリスクが減る。

・動脈硬化の危険因子であるホモシステインという悪玉アミノ酸が増えるのを防ぐ。

・貧血を防ぐ。

・循環器疾患の予防。

*1)神経管閉鎖障害とは、胎児の神経管の発育不全によって起こる無脳症、二分脊椎症、脳ヘルニアなど。妊娠初期の葉酸の不足が原因の一つとされる。


葉酸が多く含まれる食品 100gあたりμg
パン酵母、乾燥 3800
パン酵母、圧搾 1900
あまのり/焼きのり 1900
あまのり/味付けのり 1600
いわのり/素干し 1500
パセリ/乾 1400
せん茶 1300
にわとり/レバー/生 1300
抹茶 1200
あまのり/ほしのり 1200
かわのり/素干し 1200
玉露 1000
うし/レバー/生 1000
ぶた/レバー/生 810
まつも/素干し 720
乾燥わかめ/板わかめ 510
りょくとう/全粒、乾 460
乾燥わかめ/素干し 440
ひし/生 430
小麦はいが 390
葉酸が多く含まれる野菜 100gあたりμg
きく/菊のり 370
菜の花/花らい・茎、生 340
えだまめ/生 320
からしな/葉、生 310
えだまめ/冷凍 310
えだまめ/ゆで 260
モロヘイヤ/茎葉、生 250
菜の花/茎葉、生 240
菜の花/茎葉、ゆで 240
みずかけな/葉、生 240
芽キャベツ/結球葉、生 240
芽キャベツ/結球葉、ゆで 220
パセリ/葉、生 220
あさつき/葉、生 210
からしな/塩漬 210
ブロッコリー/花序、生 210
ほうれんそう/葉、生 210
生ぜんまい/若芽、生 210
あさつき/葉、ゆで 200
すぐきな/葉、生 200
葉酸が多く含まれる果物 100gあたりμg
ドリアン/生 150
なつめ/乾 140
ライチ/生 100
いちご/生 90
チェリモヤ/生 90
パッションフルーツ/果汁 86
マンゴー/生 84
アボカド/生 84
まくわうり/生 50
グズベリー/生 47
アセロラ/生 45
ピタヤ/生 44
パパイア/完熟、生 44
さくらんぼ/米国産、生 42
グァバ/生 41
さくらんぼ/国産、生 38
ラズベリー/生 38
パパイア/未熟、生 38
日本すもも/生 37
キウイフルーツ/生 36
その他:うなぎ/きも生380mg、うに360mg

葉酸の不足
・免疫力の低下。

・巨赤芽球(きょせきがきゅう)性貧血。

・神経障害。

・腸機能障害。

・動脈硬化のリスク。

妊娠中の女性は2倍の葉酸が必要とされている。

葉酸の過剰摂取
・発熱、皮膚炎、じんま疹、かゆみ。

・呼吸障害。

・亜鉛の吸収が悪くなる。

・通常の食事で問題になることはないが、サプリメントでの大量摂取には注意。