アボカドの栄養素と効果効能の解説

アボカド




どんなもの?
アボカド(avocado)は、熱帯アメリカが原産のクスノキ科ワニナシ属の高木、また、その果実のことをいいます。樹高は6~25メートルになり、その果実には大きな種が一つあります。「森のバター」とも呼ばれ、ギネスブックでは最も栄養価の高い果物に認定されています。国内では沖縄などで栽培されていますが、ほとんどがメキシコからの輸入品です。

アボカドの果皮がワニに似ているので、英語ではアリゲーター・ペア(Alligator pear)とも呼ばれています。それを直訳するとワニナシ(鰐梨)になり、日本における別名になっています。発音はアボカドが正しいですが、アボガドと発音する人も多い。果実はそのまま生食する他に、サラダ、サンドイッチ、ハンバーガー、またワサビ醤油で食べるとトロの味がすると言われ、寿司ネタなどにも使われています。

アボカド
カロリーは100gあたり・・・(生)187kcal

主な成分としては、水分、脂質、タンパク質、炭水化物、ビタミンA(αカロテン、βカロテン、βクリプトキサンチン)、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン)、ビタミンC、ビタミンE、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、銅、亜鉛、食物繊維などを含みます。

果実類では脂質の多さは断トツで、100gあたり18.7gあります。脂質が多いと言っても、その58%がオリーブオイルと同じ一価不飽和脂肪酸のオレイン酸です。オレイン酸にはLDL(悪玉)コレステロールを下げる作用があり、動脈硬化の予防、高血圧の予防、心疾患の予防などに効果があります。

ビタミン類はバランスが良く、抗酸化ビタミンの(A、C、E)に加え、ビタミンB群も充実しています。中でもビタミンEの含有量は果実類では上位にランクインします。ビタミンEには、生体膜や血中リポタンパク質に含まれる不飽和脂肪酸の酸化を防ぎ細胞の老化を予防する効果、血行促進作用、生殖機能の維持、アルツハイマー病の認知機能の低下を抑制する効果も報告されています。

ミネラル類ではカリウムが100gあたり720mg含まれ、こちらも果実類では断トツの多さです。カリウムは体内の余分なナトリウム(塩分)を尿とともに排泄してくれるので、高血圧の予防改善に有用です。また、食物繊維も豊富なので、整腸作用、大腸がんの予防、便秘の予防改善に効果があります。

効果効能
動脈硬化の予防、心疾患の予防、高血圧の予防、免疫力向上、疲労回復、血行促進、老化防止、整腸作用、便秘の改善、大腸がんの予防。


注意点
未熟なうちは果皮が緑色で熟すにつれ黒くなっていきます。黒みがつきはじめ弾力のある柔らかさが感じられたら食べごろです。アボカドはカリウムが非常に多いので、腎臓機能が極端に低下している人が多量に摂取すると高カリウム血症を起こす可能性があるので注意。

あぼかど(生)100gあたりの栄養成分表
水分 タンパク質 脂質 炭水化物 灰分 廃棄率
71.3g 2.5g 18.7g 6.2g 1.3g 30%
ビタミンA B1 B2 B6 B12 ナイアシン
αカロテン βカロテン 0.10mg 0.21mg 0.32mg 0μg 2.0mg
15μg 53μg
葉酸 パントテン ビオチン C D
84μg 1.65mg 5.3μg 15mg 0μg
E K ナトリウム カリウム カルシウム
α β γ δ 0μg 7mg 720mg 9mg
3.3mg 0.1mg 0.2mg 0mg
Mg リン 亜鉛 マンガン ヨウ素
33mg 55mg 0.7mg 0.7mg 0.24mg 0.18mg 0μg
セレン クロム モリブデン 食物繊維 脂肪酸 コレステロール
1μg 0μg 2μg 水溶性 不溶性 飽和 一価 多価 0mg
1.7g 3.6g 3.21g 10.82g 2.16g