ハモ(鱧)の栄養素と効果効能の解説

ハモ(鱧)




どんなもの?
ハモは、ウナギ目ハモ科の海産の硬骨魚。全長は1m前後だが、大きい個体は2mに達することもあります。関東では小骨が多いためあまり好まれませんが、関西では夏を代表する味覚として人気があります。

ハモには硬くて長い骨が多く、食べる前には「骨切り」という処理が必要です。骨切りは皮まで切らないように一寸(3cm)に20回以上1mm間隔で包丁を入れることから、店で食べる高級なハモ料理の大半はこの技術料とも言えます。広島ではハム、九州地方ではウミウナギと呼ばれることもある。旬は6月~8月。
はも(鱧)

カロリーは100gあたり・・・(生)144kcal

成分としては、タンパク質、脂質、ビタミンA(レチノール)、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸)、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、亜鉛などを含みます。

むかしハモはウナギと同様にビタミンA(レチノール)が豊富といわれていましたが、どうやら四訂日本食品標準成分表が間違っていたようで、五訂日本食品標準成分表ではレチノール量が600μgから59μg(1/10)に減ってしまいました。従ってビタミンA(レチノール)は多くありません。

ビタミンAは減ってしまったものの、ハモには良質なタンパク質が多く含まれており、免疫機能の向上、体力向上、疲労回復効果があります。また、脂質を構成する脂肪酸は一価不飽和脂肪酸のオレイン酸と多価不飽和脂肪酸のオメガ3系に分類されるドコサヘキサエン酸(DHA)が多く、血中の悪玉コレステロール(LDL)や中性脂肪を減らす働きがあります。

ミネラル類ではカリウムが多く、ナトリウム(塩分)を尿とともに排泄してくれるので高血圧の予防に効果があります。また、ハモは骨ごと食べることになるのでカルシウムも豊富に摂れます。

さらにハモの皮には化粧品などにも使用されるほど良質なコラーゲンが多く含まれており、肌老化を予防してくれます。

効果効能
疲労回復、体力向上、免疫力向上、動脈硬化の予防、高血圧の予防、美肌効果、骨粗しょう症の予防。


注意点
特になし。

はも(生)100gあたりの栄養成分表
水分 タンパク質 脂質 炭水化物 灰分 廃棄率
71.0g 22.3g 5.3g 0g 1.4g 0%
ビタミンA B1 B2 B6 B12 ナイアシン
レチノール βカロテン 0.04mg 0.18mg 0.23mg 1.9μg 3.8mg
59μg 0μg
葉酸 パントテン ビオチン C D
21μg 0.46mg 0μg 1mg 5.0μg
E K ナトリウム カリウム カルシウム
α β γ δ 0μg 66mg 450mg 79mg
1.1mg 0mg 0mg 0mg
Mg リン 亜鉛 マンガン ヨウ素
29mg 280mg 0.2mg 0.6mg 0.03mg 0.07mg 0μg
セレン クロム モリブデン 食物繊維 脂肪酸 コレステロール
0μg 0μg 0μg 水溶性 不溶性 飽和 一価 多価 75mg
0g 0g 1.36g 1.28g 1.45g