ホタルイカ(蛍烏賊)
どんなもの?
ホタルイカは、ツツイカ目ホタルイカモドキ科の小型のイカ。胴長は5~7cmで体の各部に700~1,000個の発光器を備え、刺激を受けると青白い光を発して敵を威嚇する。普段は水深200~600mに棲んでるが、5~6月の産卵期になると浮上してくる。北海道から日本海全域、太平洋側では熊野灘まで分布するが、富山湾での漁獲量が多いことで有名。食べ方は、桜煮(塩ゆで)にして酢味噌和えなどでいただくのが一般的。
カロリーは100gあたり・・・(生)84kcal、(茹で)104kcal、(佃煮)260kcal
主な成分としては、タンパク質、脂質、ビタミンA(レチノール)、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸)、ビタミンC、ビタミンE、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、銅、亜鉛などを含みます。
ホタルイカは内蔵ごと食べるイカなので栄養が豊富です。ビタミン類では脂溶性ビタミンのAとEが多く、特にビタミンA(レチノール)の含有量は100gあたり1500μgあり、これは魚介類の中ではトップクラスです。1匹約10gなので5匹も食べれば成人の1日のビタミンA推奨量を満たしてしまいます。ビタミンA(レチノール)には、目の健康を支える作用、粘膜や肌の健康を保つ作用、生殖作用の維持、免疫力向上、感染症を予防する作用があります。
ビタミンE(トコフェロール)も100gあたり4.4mgと多い。ビタミンEは強い抗酸化作用を持ち、生体膜や血中リポタンパク質に多く含まれる不飽和脂肪酸の酸化を防いだり、細胞の老化を予防、女性ホルモン(黄体ホルモン)、男性ホルモンの生成分泌に関与し生殖機能を維持するなどの働きがあります。
ミネラル分では銅が100gあたり3.42mgと非常に多く含まれます。銅は体内に80mg~100mg存在し、主に骨・骨格筋・肝臓、血液に分布しています。体内で銅が不足するとヘモグロビンが生成されず貧血の原因となったり、関節リウマチ、骨粗しょう症の原因となることがあります。また、銅はメラニン色素の生成にも関与しているので紫外線から体を守る働きもあります。通常の食生活をしていれば銅不足を心配する必要はありませんが、知識として覚えておいて損はありません。
ホタルイカに含まれる含硫アミノ酸の一種であるタウリンには、胆汁酸やインスリンの分泌促進作用、血圧を正常に保つ作用、血糖低下作用、肝機能の改善、血中の悪玉コレステロールを下げて善玉コレステロールを増やす作用、心筋の働きを正常に保つ作用などがあります。
効果効能
疲労回復、免疫力向上、感染症の予防、眼精疲労の改善、夜盲症の予防、老化防止、肝機能の改善、貧血の予防。
注意点
生のものは寄生虫がいることがあるので、凍結処理や内蔵をとるなど十分な注意が必要。
ほたるいか(生)100gあたりの栄養成分表
水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 灰分 | 廃棄率 |
83.0g | 11.8g | 3.5g | 0.2g | 1.5g | 0% |
ビタミンA | B1 | B2 | B6 | B12 | ナイアシン | |
レチノール | βカロテン | 0.19mg | 0.27mg | 0.15mg | 14.0μg | 2.6mg |
1500μg | 0μg |
葉酸 | パントテン | ビオチン | C | D |
34μg | 1.09mg | 0μg | 5mg | 0μg |
E | K | ナトリウム | カリウム | カルシウム | |||
α | β | γ | δ | 0μg | 270mg | 290mg | 14mg |
4.3mg | 0mg | 0.1mg | 0mg |
Mg | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 | マンガン | ヨウ素 |
39mg | 170mg | 0.8mg | 1.3mg | 3.42mg | 0.05mg | 0μg |
セレン | クロム | モリブデン | 食物繊維 | 脂肪酸 | コレステロール | |||
0μg | 0μg | 0μg | 水溶性 | 不溶性 | 飽和 | 一価 | 多価 | 240mg |
0g | 0g | 0.58g | 0.69g | 0.94g |