カンパチの栄養素と効果効能の解説

カンパチ(間八・勘八)




どんなもの?
カンパチは、スズキ目アジ科ブリ属の海産の硬骨魚。ブリの仲間では最も大きく、体長は1.5メートル前後になります。頭にある茶色の縞模様が八の字状に見えることが名の由来。暖かい海域を好み、日本では東北以南の太平洋側の沿岸から沖合を群れで回遊しています。漁獲量が少ないので高級魚となっており、近年は養殖も盛んに行われています。地方名は多くあり、ヒヨ、アカバナ、アカハナ、アカバネ、シオなどと呼ばれることもあります。新鮮なものは刺身、寿司ネタカルパッチョ、塩焼き、照り焼きなどで食べても美味しい。旬は6月~8月。

カンパチ(間八・勘八)
カロリーは100gあたり・・・(生)129kcal

主な成分としては、タンパク質、脂質、ビタミンA(レチノール)、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン)、ビタミンD、ビタミンE、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、銅、亜鉛、ヨウ素、セレンなどを含みます。

タンパク質は100gあたり21gと豊富に含まれます。良質なタンパク質は、体力向上、代謝活動の促進、免疫力を向上させる働きがあります。脂質は100gあたり4.2gとそれほど多くないので、一価不飽和脂肪酸のオレイン酸などの量は少ないですが、多価不飽和脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)は100gあたり730mgとかなり多く含まれています。これは脂質が多いサバを上回る量です。DHAには、記憶力の向上、認知症の予防改善、血液サラサラ、抗血栓作用、動脈硬化の予防、高血圧の予防、高脂血症を改善するなどの効果があります。

ミネラル類ではカリウムが100gあたり490mgと多く、魚類ではトップクラスです。カリウムは体内の余分なナトリウム(塩分)を尿とともに排泄してくれるので、高血圧の予防改善に役立ちます。

効果効能
体力向上、免疫力向上、動脈硬化の予防、脳や神経機能の維持、高血圧の予防、高脂血症の改善。


注意点
かつて中国から輸入したカンパチの中間種苗を国内で養殖していたところ、アニサキス幼虫が高頻度に寄生していました。これらの養殖魚を生食すると、アニサキス症を発症する可能性がありますが、現在は対象魚の出荷の際には冷凍などでアニサキスが死滅する措置を講じているので心配ありません。

かんぱち(生)100gあたりの栄養成分表
水分 タンパク質 脂質 炭水化物 灰分 廃棄率
73.3g 21.0g 4.2g 0.1g 1.4g 40%
ビタミンA B1 B2 B6 B12 ナイアシン
レチノール βカロテン 0.15mg 0.16mg 0.32mg 5.3μg 8.0mg
4μg 0μg
葉酸 パントテン ビオチン C D
10μg 0.52mg 2.4μg 0mg 4.0μg
E K ナトリウム カリウム カルシウム
α β γ δ 0μg 65mg 490mg 15mg
0.9mg 0mg 0mg 0mg
Mg リン 亜鉛 マンガン ヨウ素
34mg 270mg 0.6mg 0.7mg 0.05mg 0.01mg 11μg
セレン クロム モリブデン 食物繊維 脂肪酸 コレステロール
29μg 0μg 0μg 水溶性 不溶性 飽和 一価 多価 62mg
0g 0g 1.12g 1.03g 1.24g