クルミの栄養素と効果効能の解説

胡桃(くるみ)




どんなもの?
胡桃(くるみ)は、ヨーロッパ原産のクルミ科クルミ属の落葉高木の総称で、日本には江戸時代に渡来したと言われています。中国ではクルミを「貴族の美容食」といい、イギリスでは「クルミを食べると頭がよくなる」と伝えられています。
クルミ
カロリーは100gあたり・・・(炒り)674kcal

主な成分としては、脂質、タンパク質、炭水化物、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、ナイアシン、パントテン酸)、ビタミンE、ビタミンK、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、銅、亜鉛、食物繊維などを含みます。

クルミは約69%が脂質です。脂肪酸の構成を見ると、多価不飽和脂肪酸のリノール酸が一番多く、可食部100gあたり41000mg含まれます。次に多いのが一価不飽和脂肪酸で可食部100gあたり10000mg含まれます。どちらもLDL(悪玉)コレステロールを下げる作用がありますが、リノール酸に関してはHDL(善玉)コレステロールも同時に下げてしまうので、摂り過ぎると逆に動脈硬化や高血圧を招くので注意が必要です。

ビタミン類ではビタミンEが豊富です。タミンEには生体膜や血中リポタンパク質に含まれる不飽和脂肪酸の酸化を防ぎ細胞の老化を予防する効果、血行促進作用、生殖機能の維持、アルツハイマー病の認知機能の低下を抑制する効果も報告されています。

ミネラル類では特筆するようなものはありませんが、カリウムが比較的豊富に含まれます。カリウムは体内の余分なナトリウム(塩分)を尿とともに排泄することで高血圧を予防する効果があります。

効果効能
疲労回復、滋養強壮、老化予防、動脈硬化の予防、高血圧の予防、貧血の予防、血行促進、認知症の予防。



注意点
クルミのカロリーは、1個あたり40kcalと高めなので食べ過ぎには注意。脂質が多く、空気にさらしておくと酸化しやすいので、面倒でも食べるときに殻を割るようにします。また、クルミは一定の頻度でアレルギーを発症することから、加工食品への表示が奨励されています。

くるみ(炒り)100gあたりの栄養成分表
水分 タンパク質 脂質 炭水化物 灰分 廃棄率
3.1g 14.6g 68.8g 11.7g 1.8g 0%
ビタミンA B1 B2 B6 B12 ナイアシン
レチノール βカロテン 0.25mg 0.15mg 0.49mg 0μg 1.0mg
0μg 0μg
葉酸 パントテン ビオチン C D
91μg 0.67mg 0μg 0mg 0μg
E K ナトリウム カリウム カルシウム
α β γ δ 7μg 4mg 540mg 85mg
1.2mg 0.1mg 23.6mg 2.6mg
Mg リン 亜鉛 マンガン ヨウ素
150mg 280mg 2.6mg 2.6mg 1.21mg 3.44mg 0μg
セレン クロム モリブデン 食物繊維 脂肪酸 コレステロール
0μg 0μg 0μg 水溶性 不溶性 飽和 一価 多価 0mg
0.6g 6.9g 6.87g 10.26g 50.28g