タチウオの栄養素と効果効能の解説

タチウオ(太刀魚)




どんなもの?
タチウオは、スズキ目タチウオ科の海産の硬骨魚。体長は1.5m前後で尾部はヒモ状になっている。鋭い歯を持ち、背ビレは頭の後方から尾端までついているが、胸ビレや腹ビレはない。また、体にウロコはなく銀色に輝くグアニンで覆われている。このグアニンという物質は、かつてイミテーションパールや銀箔の材料として用いられてきました。

食べ方としては、新鮮なものは刺し身にし、その他にも塩焼き、煮付け、唐揚げなどで食べても美味しい。旬は脂がのる晩夏から秋。
タチウオ(太刀魚)

カロリーは100gあたり・・・(生)266kcal

主な成分としては、脂質、タンパク質、ビタミンA(レチノール)、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸)、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、銅、亜鉛などを含みます。

タチウオはタンパク質より脂質のほうが多い珍しい魚です。ちなみに一般的に食される魚でタンパク質より脂肪が多い魚は、タチウオの他にサンマ、キンキ、ウナギ、ギンダラ、マグロの脂身など。タチウオは脂質が多く高カロリーな魚ですが、脂肪酸の30%がオリーブオイルなどと同じ一価不飽和脂肪酸のオレイン酸です。オレイン酸にはLDL(悪玉)コレステロールを下げる作用があり、動脈硬化の予防、高血圧の予防、心疾患の予防などに効果があります。

また、タチウオには多価不飽和脂肪酸(オメガ3系)のエイコサペンタエン酸(EPA)が100gあたり970mg含まれ、同じくオメガ3系脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)も100gあたり1500mgと豊富に含まれます。どちらにも抗血栓作用があり、血液をサラサラにする効果があります。さらにDHAは記憶力の向上やアルツハイマー病の予防改善にも有効とされています。ただし飽和脂肪酸のパルミチン酸も多い魚なので、摂り過ぎるとコレステロールや中性脂肪を増やしてしまいます。

そに他の栄養に関しては、脂溶性ビタミンのビタミンDが比較的多く含まれます。ビタミンDは骨にカルシウムを沈着させ骨を強くする効果があります。

効果効能
悪玉コレステロールの低下、血液サラサラ、動脈硬化の予防、高血圧の予防、心疾患の予防。


注意点
飽和脂肪も多く高カロリーなので食べ過ぎには注意。

たちうお(生)100gあたりの栄養成分表
水分 タンパク質 脂質 炭水化物 灰分 廃棄率
61.6g 16.5g 20.9g 0g 1.0g 35%
ビタミンA B1 B2 B6 B12 ナイアシン
レチノール βカロテン 0.01mg 0.07mg 0.20mg 0.9μg 3.9mg
52μg 0μg
葉酸 パントテン ビオチン C D
2μg 0.56mg 0μg 1mg 14.0μg
E K ナトリウム カリウム カルシウム
α β γ δ 0μg 88mg 290mg 12mg
1.2mg 0mg 0mg 0mg
Mg リン 亜鉛 マンガン ヨウ素
29mg 180mg 0.2mg 0.5mg 0.02mg 0.02mg 0μg
セレン クロム モリブデン 食物繊維 脂肪酸 コレステロール
0μg 0μg 0μg 水溶性 不溶性 飽和 一価 多価 72mg
0g 0g 5.83g 7.26g 3.87g