ウニ(海胆・海栗)
どんなもの?
ウニ(海胆、海栗)は、ウニ綱に属する棘皮動物(きょくひどうぶつ)の総称。殻径は5~7センチメートル。雌雄異体で放射状に5個の精巣または卵巣があり、その部分が食用となります。主にバフンウニ、エゾバフンウニ、アカウニ、キタムラサキウニ、ムラサキウニなどを食用とします。旨味成分が豊富で、ねっとりとした濃厚な味わいが特徴。刺身、寿司ネタ、ウニ丼、パスタの具などで食するのが一般的。塩蔵などの加工品には雲丹という漢字があてられます。
カロリーは100gあたり・・・(生うに)120kcal
主な成分としては、タンパク質、脂質、ビタミンA(αカロテン、βカロテン)、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸)、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、銅、亜鉛などを含みます。
見た目は脂質が多そうですが、脂質は100gあたり4.8gしかなく、これは平均的な白身魚とほぼ同じです。なので脂質の多さを心配する必要はまったくありません。一方、タンパク質は100gあたり16gあり、どちらかと言えば高タンパク・低脂肪な食材と言えます。ウニのタンパク質は良質なので、体力向上、代謝活動の促進、免疫力向上などが見込めます。ただ、精巣・卵巣を食べるのでコレステロールはやや多くなります。
ビタミン類では、ビタミンA、ビタミンB2、葉酸が豊富です。体内で必要な量だけビタミンA(レチノール)に変換されるβカロテンは、レチノールの作用(目の健康を支える作用、生殖作用の維持、感染症予防)にプラスして抗酸化作用、発がん抑制作用、免疫活性作用があります。ビタミンB2は脂質の代謝を促進し、動脈硬化や心筋梗塞などの原因の一つとされる過酸化脂質を分解する作用、皮膚や粘膜の健康維持を維持する作用があります。
葉酸は100gあたり360μg含まれ、これは魚介類では「ウナギのきも」に次ぐ多さです。葉酸はビタミンB12と協調し赤血球合成に関与することから「造血のビタミン」と呼ばれ、貧血の予防に効果ある他、悪玉アミノ酸が増えるのを防ぐ効果や口内炎を予防する効果があります。また、DNAの合成にも関与することから、妊娠中の女性は通常の2倍の葉酸を摂取することが国から推奨されています。
脂質が少ないので、脂肪酸やビタミンEの効能は期待できませんが、多価不飽和脂肪酸(オメガ3系)のエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)もわずかに含まれます。ビタミンKは魚介類の中ではトップクラスですが、絶対量が少ないのでこちらもあまり期待できません。
効果効能
疲労回復、体力向上、代謝活動の促進、免疫力向上、動脈硬化の予防、眼精疲労の改善、老化防止、貧血の予防、がん予防。
注意点
特になし。
生うに100gあたりの栄養成分表
水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 灰分 | 廃棄率 |
73.8g | 16.0g | 4.8g | 3.3g | 2.1g | 0% |
ビタミンA | B1 | B2 | B6 | B12 | ナイアシン | |
αカロテン | βカロテン | 0.10mg | 0.44mg | 0.15mg | 1.3μg | 1.1mg |
63μg | 650μg |
葉酸 | パントテン | ビオチン | C | D |
360μg | 0.72mg | 0μg | 3mg | 0μg |
E | K | ナトリウム | カリウム | カルシウム | |||
α | β | γ | δ | 27μg | 220mg | 340mg | 12mg |
3.6mg | 0mg | 0mg | 0mg |
Mg | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 | マンガン | ヨウ素 |
27mg | 390mg | 0.9mg | 2.0mg | 0.05mg | 0.05mg | 0μg |
セレン | クロム | モリブデン | 食物繊維 | 脂肪酸 | コレステロール | |||
0μg | 0μg | 0μg | 水溶性 | 不溶性 | 飽和 | 一価 | 多価 | 290mg |
0g | 0g | 0.63g | 0.77g | 1.02g |