フコイダンの効果効能と注意点の解説

フコイダン




どんなもの?
フコイダン(Fucoidan)とは、モズク、昆布、ワカメなどの海藻類の表面を覆っている「ぬめり」部分に含まれている多糖類のことです。フコイダンは海藻が潮流から受ける衝撃を和らげたり、潮流で生じた傷の修復、また周囲の微生物に食べられないようにするバリアのような働きがあります。
フコイダン
フコイダンは水溶性食物繊維の一種なので、他の水溶性食物繊維と同じように、血中コレステロールを低下させる作用、血糖値抑制作用、整腸作用などがあります。

その他の効能としては、胃の表面に浸透して粘膜を保護し、マクロファージ(大食細胞)の働きを活性化させて慢性胃炎や胃潰瘍などで生じだ胃粘膜の炎症部分を修復する働きや、胃がんとの関連が指摘されているピロリ菌を吸着し体外に排泄せさる除菌作用もあることが指摘されています。動物実験ではナチュラルキラー細胞の活性化も報告されています。



さらに注目なのがアポトーシス(Apoptosis)誘導による抗ガン作用です。アポトーシスとはギリシャ語のアポプトーシスからきた言葉で「枯れ葉が木から落ちる」という意味です。どのようなことかと言うと、私たちの体にあるすべての細胞は自分の役目を終えると遺伝子に組み込まれたプログラムにより死滅し、新しい細胞と入れ替わります(細胞のプログラム死)。しかし、がん細胞ではアポトーシス機能が上手く働かず、がん細胞が死ぬどころか分裂・増殖を繰り返し正常な細胞を侵食し続けてしまうのです。

フコイダンは、がん細胞に接触すると、がん細胞の核にアポトーシスによる自滅プログラム信号を送り込みます。それによりがん細胞のDNAが破壊され死滅するというわけです。また、それでもアポトーシス(細胞のプログラム死)を起こさないがん細胞に対しては、フコイダンがガン細胞の表面に穴をあけて「パーフォリン」という毒素を出してがんのDNAを破壊するといわれています。まだ基礎研究の域は出ませんが、今後の展開が期待される成分です。

現在、フコイダンはサプリメントの他、ドリンクやヨーグルトなどにも展開されています。

効果効能
胃粘膜の保護、胃炎の改善、血中コレステロールの低下、血糖値抑制作用、整腸作用、免疫力向上、がん予防、抗がん作用。

注意点
特になし。