フォアグラの栄養素と効果効能の解説

フォアグラ




どんなもの?
フォアグラ(foie gras)は、ガチョウやカモにエサを強制的に与え肝臓を肥大(脂肪肝に)させたもので、キャビア、トリュフと並ぶ世界三大珍味とされています。フランス語でフォア(foie)は肝臓、グラ(gras)は脂肪という意味。生産も消費もフランスが圧倒的で世界のフォアグラの80%近くをフランスが生産しています。味は濃厚で美食家に好まれる高級食材。
フォアグラ
カロリーは100gあたり・・・(茹で)510kcal

主な成分としては、脂質、タンパク質、ビタミンA(レチノール)、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸)、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、銅、亜鉛などを含みます。

このような高級食材で栄養素を分析してどうこう言うのも不粋な話ですが、フォアグラは重量の半分が脂質なので当然高カロリーな食材となります。脂質は三大栄養素のうち最も高いエネルギー源(1gあたり9kcal)で、細胞膜や生体膜の構成成分となります。

フォアグラの脂質を構成する脂肪酸は、オリーブオイルなどと同じ一価不飽和脂肪酸のオレイン酸が一番多く、LDL(悪玉)コレステロールを下げる作用があります。これにより動脈硬化の予防、高血圧の予防、心疾患の予防などに効果があります。ただし、フォアグラは飽和脂肪酸のパルミチン酸も多いので、摂り過ぎるとコレステロールや中性脂肪を増やし生活習慣病のリスクを高めます。

味はフォアグラの方がずっと濃厚ですが、食感、カロリー、栄養素はアンコウの肝臓(あん肝)と類似しています。ガチョウと魚を比較するのもなんですが、脂肪の質は飽和脂肪酸が少なくオメガ3系が含まれる分、あん肝の方が数段良く、ビタミンA(レチノール)に関しても、あん肝の方が8倍多く含まれます。ただ、そうは言ってもフォアグラもビタミンA(レチノール)は100gあたり1000μgとかなり豊富なので、目の健康を支える作用、免疫力向上、感染症を予防する効果が期待できます。

その他の栄養素では葉酸と銅が豊富です。葉酸は動脈硬化の危険因子であるホモシステインという悪玉アミノ酸が増えるのを防いだり、ビタミンB12と協調し赤血球合成に関与することから貧血の予防、胎児の正常な発育を助けるなどの効果があります。また、体内に鉄が十分に足りていても、銅が不足しているとヘモグロビンが生成されず、貧血の原因となることがあるので、貧血の予防効果が見込めます。

効果効能
眼精疲労の改善、夜盲症の予防、免疫力向上、滋養強壮、動脈硬化の予防、貧血の予防。


注意点
摂り過ぎるとコレステロールや中性脂肪を増やし生活習慣病のリスクを高める。

フォアグラ(茹で)100gあたりの栄養成分表
水分 タンパク質 脂質 炭水化物 灰分 廃棄率
39.7g 8.3g 49.9g 1.5g 0.6g 0%
ビタミンA B1 B2 B6 B12 ナイアシン
レチノール βカロテン 0.27mg 0.81mg 0.30mg 7.6μg 2.4mg
1000μg 0μg
葉酸 パントテン ビオチン C D
220μg 4.38mg 0μg 7mg 0.9μg
E K ナトリウム カリウム カルシウム
α β γ δ 6μg 44mg 130mg 3mg
0.3mg 0mg 0mg 0mg
Mg リン 亜鉛 マンガン ヨウ素
10mg 150mg 2.7mg 1.0mg 1.85mg 0.05mg 0μg
セレン クロム モリブデン 食物繊維 脂肪酸 コレステロール
0μg 0μg 0μg 水溶性 不溶性 飽和 一価 多価 650mg
0g 0g 18.31g 27.44g 0.61g