アンコウの栄養素と効果効能の解説

アンコウ(鮟鱇)




どんなもの?
アンコウは、アンコウ目アンコウ科の硬骨魚の総称。水深25~500mの海底に生息し、全長は1.0m~1.5m程度。頭の上にアンテナ状の誘引突起がついていて、これで小魚を誘い捕食することから、英語では「angler fish(釣りをする魚)」と呼ばれています。旬は冬。グロテスクな外見ですが、味は上品で「東のアンコウ、西のフグ」と称される冬のごちそうです。
あんこう
カロリーは100gあたり・・・(あんこう、生)58kcal、(きも、生)445kcal
日本で食用にされるのは、キアンコウ(ホンアンコウ)とアンコウ(クツアンコウ)ですが、キアンコウの方が味がよく値段も高い。

アンコウの身はビタミン・ミネラルの含有量は少なく、栄養価的な魅力はありません。ただ、良質なタンパク質が摂れますし、脂質が100gあたり0.2g、炭水化物が0.3gしかない低カロリーな食材なので、ダイエット中の人や肥満が気になる人も沢山食べることができます。

身に栄養分は少ないですが、あん肝はフォアグラと並ぶ珍味とされ、栄養価的にも非常に優れています。アンコウの価値はあん肝の大きさで決まると言われているほどです。

あん肝には、ビタミンA(レチノール)、ビタミンB12ビタミンDビタミンE(トコフェロールα)、セレンが豊富に含まれます。←いずれの栄養素も全食品類の中でトップクラスです。ビタミンA(レチノール)の含有量は豊富と言われる養殖ウナギの3.5倍あり、目の健康を支える作用や免疫力を上げ感染症を予防する効果があります。また、ビタミンDは血中のカルシウムを骨に運び骨粗鬆症を予防し、ビタミンEは強い抗酸化作用で細胞の老化を予防する作用、ビタミンB12は悪性貧血の予防、神経細胞内の核酸の合成を行い精神を安定させる作用があります。セレンの抗酸化作用はビタミンEの500倍といわれるほど強力で、老化の原因をつくりだす過酸化脂質を分解します。あん肝は脂質、トリアシルグリセロール(中性脂肪)、コレステロールが多く高カロリーな食材なので食べ過ぎには要注意ですが、脂肪酸にはオレイン酸や多価不飽和脂肪酸のエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)も多いので動脈硬化の予防も見込めます。

アンコウの7つ道具とは
キモ(肝臓)、身、えら、皮、とも(尾びれや胸びれ)、ぬの(卵巣)、水袋(胃)をアンコウの7つ道具といい、それぞれ違った味わいや食感を楽しめます。

効果効能
あんこう(身):体力向上、ダイエット。

あん肝:眼精疲労の改善、夜盲症の予防、免疫力向上、滋養強壮、悪性貧血の予防、老化防止、骨粗鬆症の予防、精神安定作用、動脈硬化の予防、抗血栓作用。



注意点
あん肝はレチノールの含有量が高いので妊娠中の人は多量に食べないように。

アンコウ(生) 100gあたりの栄養成分表
水分 タンパク質 脂質 炭水化物 灰分 廃棄率
85.4g 13.0g 0.2g 0.3g 1.1g 0%
ビタミンA B1 B2 B6 B12 ナイアシン
レチノール βカロテン 0.04mg 0.16mg 0.11mg 1.2μg 1.7mg
13μg 0μg
葉酸 パントテン ビオチン C D
5μg 0.21mg 0μg 1mg 1.0μg
E K ナトリウム カリウム カルシウム
α β γ δ 0μg 130mg 210mg 8mg
0.7mg 0mg 0mg 0mg
Mg リン 亜鉛 マンガン ヨウ素
19mg 140mg 0.2mg 0.6mg 0.04mg 0mg 0μg
セレン クロム モリブデン 食物繊維 脂肪酸 コレステロール
0μg 0μg 0μg 水溶性 不溶性 飽和 一価 多価 78mg
0g 0g 0.02g 0.02g 0.04g



アンコウ肝(生)100gあたりの栄養成分表
水分 タンパク質 脂質 炭水化物 灰分 廃棄率
45.1g 10.0g 41.9g 2.2g 0.8g 0%
ビタミンA B1 B2 B6 B12 ナイアシン
レチノール βカロテン 0.14mg 0.35mg 0.11mg 39.1μg 1.5mg
8300μg 0μg
葉酸 パントテン ビオチン C D
88μg 0.89mg 13.4μg 1mg 110μg
E K ナトリウム カリウム カルシウム
α β γ δ 0μg 110mg 220mg 6mg
13.8mg 0mg 0mg 0mg
Mg リン 亜鉛 マンガン ヨウ素
9mg 140mg 1.2mg 2.2mg 1.0mg 0mg 96μg
セレン クロム モリブデン 食物繊維 脂肪酸 コレステロール
200μg 0μg 5μg 水溶性 不溶性 飽和 一価 多価 560mg
0g 0g 8.23g 18.44g 8.47g