牛乳の栄養素と効果効能の解説

牛乳(ぎゅうにゅう)




どんなもの?
牛乳は、言わずと知れた牛の乳汁のこと。成分としては、水分が87.4%、各種アミノ酸で構成される良質なタンパク質、糖質、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、コレステロール、ビタミンA(レチノール)、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12 、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン)、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、モリブデン、セレン、亜鉛、ヨウ素などを含みます。
牛乳(Milk)

カロリーは100gあたり・・・(普通牛乳)67kcal

良質なタンパク質は、成長促進、疲労回復、免疫力向上に役立ち、豊富なビタミンB2はタンパク質、脂質、糖質などを効率良く代謝する働きがあり、特に脂肪をエネルギーとして利用する際に欠かせないビタミンです。また、ビタミンB2には動脈硬化や心筋梗塞などの原因の一つとされる過酸化脂質を分解する働きもあります。

牛乳と言えばカルシウムですが、含まれるカルシウムは100gあたり110mgと数字的には決して多くはありません。しかし、カルシウムの吸収率は食品ごとに異なり、牛乳や乳製品が約40~50%、小魚類が約30%、野菜類が約18%、豆類が約13%であることや、一度に飲む量を考慮すると、牛乳は効率よくカルシウムを摂取できます。

カルシウムは、リンやマグネシウムなどと共に骨や歯を形成し、健康な体を維持するのに欠かせない成分です。また、カルシウムには精神を安定させる作用もあります。眠れない時にホットミルクが良いというのは、体を温めると同時に、カルシウムの精神安定作用と牛乳に多く含まれるトリプトファン(睡眠に関与する神経伝達物質であるセロトニンやメラトニンの原料)との相乗効果によるものと考えられます。

また、牛乳に含まれるラクトース(乳糖)には整腸作用があります。

効果効能
子供の成長促進、疲労回復、免疫力向上、骨粗鬆症の予防、精神安定作用、不眠症の改善、整腸作用。


注意点
乳糖不耐症の人は、牛乳を摂りすぎると下痢を起こすことがありますが、これは病気ではないので安心して下さい。ヒトは赤ちゃんのときには、誰でも小腸に乳糖分解酵素(ラクタ-ゼ)を持っていますが、哺乳類は成長するに従いこの酵素が次第に少なくなります。大人になった牛がメス牛の乳汁を飲むことはありませんが、人間は哺乳類で唯一大人になってもミルクを飲むようになったので乳糖不耐症という問題が出てきたのです。乳糖不耐症は人種や民族によってかなり異なりますが、日本人は乳糖を分解するのがあまり得意とは言えない民族です。

また、牛乳はアレルギー発生頻度が高く加工食品への表示が義務付けられています。

普通牛乳100gあたりの栄養成分表
水分 タンパク質 脂質 炭水化物 灰分 廃棄率
87.4g 3.3g 3.8g 4.8g 0.7g 0%
ビタミンA B1 B2 B6 B12 ナイアシン
レチノール βカロテン 0.04mg 0.15mg 0.03mg 0.3μg 0.1mg
38μg 6μg
葉酸 パントテン ビオチン C D
5μg 0.55mg 1.8μg 1mg 0.3μg
E K ナトリウム カリウム カルシウム
α β γ δ 2μg 41mg 150mg 110mg
0.1mg 0mg 0mg 0mg
Mg リン 亜鉛 マンガン ヨウ素
10mg 93mg 0mg 0.4mg 0.01mg 0mg 16μg
セレン クロム モリブデン 食物繊維 脂肪酸 コレステロール
3μg 0μg 4μg 水溶性 不溶性 飽和 一価 多価 12mg
0g 0g 2.33g 0.87g 0.12g