授乳婦の栄養付加量(ビタミン・ミネラル)一覧

授乳婦の栄養付加量の一覧


授乳期とは乳児に授乳する約6ヶ月のことを言います。出産によって消耗した体力を回復させる、乳汁の分泌、育児のための労働量の増加など、授乳期は通常時より消費エネルギーは増加します。このため授乳婦には高エネルギー・高タンパク質でビタミン・ミネラルの豊富な食事が必要となります。授乳しない場合はエネルギーの摂り過ぎに注意しましょう。



授乳婦のビタミン・ミネラルの付加量一覧(厚生労働省:2015年版日本人の食事摂取基準による)付加の必要がないビタミン・ミネラルは除外しています。
栄養素 一般女性の推奨量・目安 授乳婦の付加量
ビタミンA 18~29歳:推奨量650μgRE/日
30~49歳:推奨量700μgRE/日
+450μgRE/日
ビタミンB1 推奨量1.1mg/日 +0.2mg/日
ビタミンB2 推奨量1.2mg/日 +0.6mg/日
ナイアシン 18~29歳:推奨量11mg/日
30~49歳:推奨量12mg/日
+3mg/日
ビタミンB6 推奨量1.2mg/日 +0.3mg/日
ビタミン12 推奨量2.4μg/日 +0.8μg/日
葉酸 推奨量240μg/日 +100μg/日
ビタミンC 推奨量100mg/日 +45mg/日
 18~29歳(月経あり):推奨量10.5mg/日
 18~29歳(月経なし):推奨量6.0mg/日
 30~49歳(月経あり):推奨量10.5mg/日
 30~49歳(月経なし):推奨量6.5mg/日
+2.5mg/日
亜鉛 推奨量8mg/日 +3mg/日
推奨量0.8mg/日 +0.5mg/日
ヨウ素 推奨量130μg/日 +140μg/日
セレン 推奨量25μg/日 +20μg/日
モリブデン 18~29歳:推奨量20μg/日
30~49歳:推奨量25μg/日
+3μg/日


関連情報
母乳と牛乳の成分の違い
母乳のほうが多い成分 ラクトアルブミン、ラクトフェリン、乳糖
母乳のほうが少ない成分 カゼイン、ラクトグロプリン、ナトリウム、カルシウム、ビタミンK
ほぼ同じ エネルギー、乳清タンパク質

母乳育児を成功させるための十か条(医療従事者向け)WHO、ユニセフ
1.母乳育児の方針をすべての医療に関わっている人に、常に知らせること。

2.すべての医療従事者に母乳育児をするために必要な知識と技術を教えること。

3.すべての妊婦に母乳育児のよい点とその方法をよく知らせること。

4.母親が分娩後、30分以内に母乳を飲ませられるように援助すること。

5.母親に授乳の指導を十分にし、もし、赤ちゃんから離れることがあっでも母乳の分泌を維持する方法を教えること。

6.医学的な必要がないのに母乳以外のもの、水分、糖水、人工乳を与えないこと。

7.母子同室にする。赤ちゃんと母親が一日中24時間、一緒にいられるようにすること。

8.赤ちゃんが欲しがるときに、欲しがるままの授乳を進めること。

9.母乳を飲んでいる赤ちゃんにゴムの乳首やおしゃぶりを与えないこと。

10.母乳育児のための支援グループづくりを援助し、退院する母親に、このようなグループを紹介すること。